脱毛・薄毛とウィッグ

脱毛・薄毛とウィッグについて

コロナに罹患して脱毛が起こったり、コロナワクチン接種後に脱毛をされてウィッグを装着しなくてはならなくなったお客さまもおられて、最近はお客さまからもいろいろな声を聴くことができます。 私はお医者さんではありませんので、症状を診断することはできませんが、髪の毛を扱う職業人として、最適解を見つけお客さまにアドバイスきるように日々現場から発信できればと思っております。

男性の脱毛やAGAのお話からは一旦ここでは離れさせていただいて、まずは女性の脱毛や薄毛についてご説明させていただければと思います。 ネット上にはたくさんの情報がありますが、ある程度要約させていただきご案内させていただければと思います。 女性の薄毛脱毛については大枠で4種類と区分させていただいておりますが、個人差・年齢・髪の毛の量・太さなどでも状況がかなり異なりますので予めご了承いただければと思います。

 

1. 分娩後脱毛症

まず、治癒する脱毛の代表として「 分娩後脱毛症 / 産後の脱毛 」です。 妊娠中、女性としてのアクセルは全開になっていて、お腹の赤ちゃんのためにフルスロットルです。 妊娠後期までエストロゲン  ( 女性ホルモン ) が全開なので、産後一気にアクセルを戻してしまうことで、アクセル全開のとき抜けていなかった髪の毛が一気に休止状態に入ってしまうので、産後に薄毛に悩まれる方が多いです。 でも心配ありません、徐々に復活します!

 

2. 円形脱毛症

文字通り、よく耳にする円形や楕円形に脱毛する症状です。 ある日突然、何の前触れもなく一気に髪が「ゴソッ!」と抜けてしまう症状で、脱毛する場所は1か所から数か所の場合もありますし、頭髪だけでなく全身の毛が抜けてしまうこともあります。 原因は免疫機能を担うリンパ球の働きの異常による「 自己免疫疾患 」と考えられていて、発症のきっかけはストレスやアレルギー疾患などさまざまです。 抜け毛が急に増えたと思ったら、注意深く頭皮を観察していただいて、症状に気づいたら、すぐに皮膚科の先生に相談することをおすすめします。 円形脱毛症の治療には保険が適用されます!

 

3. びまん性脱毛症

「 びまん性?」って感じですよね。 このびまん性脱毛症が原因で薄毛になる場合、頭髪全体の髪が均等に抜けてしまい、髪が全体的に薄くなります。 「 加齢 」で片づけられることも多いのですが、40代以降の女性に多く、原因は、老化、ストレス、極端なダイエット、そして誤ったヘアケアなどが挙げられます。 男性型脱毛症( AGA )とは違い、前頭部のヘアラインが後退するのではなく、頭髪全体が均等に細くなり抜けるので、脱毛部分の境界がはっきりしない脱毛症です。

 

4. 批糠( ひこう )性脱毛症

「 批糠性?」これまた聞いたことない?って感じですよね。 頭皮環境が悪化して乾燥したフケを伴う脱毛症です。 フケが毛穴を塞ぐことで毛穴が炎症を起こして髪の成長を妨げてしまいます。 シャンプーが合わなかったり、不規則な生活習慣などが原因でフケが出て炎症を引き起こすこともあります。 皮膚科さんでは、「 脂漏性皮膚炎 」と診断されるお客さまもいらっしゃいますが、意外に患者さんは乾燥肌だったりして…??? ムムムってこともあります。

 

上記4症状をあげさせていただきましたが、上記4症状についてはウィッグが必要な場合もありますが、大半はウィッグが必要ではなかったり、皮膚科の先生に先行してお伺いすべき症状になります。 次に、私がウィッグを扱っていてよく対応している「 ウィッグが必要になる脱毛 」について4症状ご紹介させていただきます。( 円形脱毛症は重複します )

 

 

ウィッグが必要になる脱毛症

1. 円形脱毛症

円形脱毛症の特徴と種類

先ほどもピックアップさせていただいた、円形脱毛症にはこんな特徴・種類があります。

  • 人口の1〜2%に発生しています
  • 男女比は1:1で、男性も女性も同じくらい発生します
  • 同じ家族内で発生する確率は20%です
  • 一卵性双生児では二人とも発症する確率が55%ですが、二卵性の場合はほとんどが一方のみです
  • 遺伝的な要因が強いと考えられています
  • 小児期に発症することが多く、15歳以下の子どもが全体の1/4を占めています
  • 症状進行については多くの場合、自然に治りますが、進行する場合もあります。

 

  • 小型単発( 10円玉くらいの脱毛が生じます )
  • 多発性 ( 脱毛が複数でき、脱毛部同士が繋がることもあります )
  • 全頭型 ( 髪の毛が全部抜け落ちることもあります )
  • 汎発性  ( ひげ・すね毛・陰毛などが抜け落ちる重度の脱毛症 )

 

円形脱毛症の原因と症状

円形脱毛症の原因としてよくストレスが挙げられますが、実際にはストレスが直接の原因であるという医学的証明はありません。 ただ、ストレスがかかると自律神経が乱れたり、免疫力が低下したりすることはわかっているので、円形脱毛症は自己免疫性の疾患だと考えられています。 自分の髪の毛を異物と認識して攻撃してしまうのですが、なぜ自分の髪の毛を攻撃するのかはまだ解明されていません。 脱毛の特徴は、境目がはっきりしている脱毛で、脱毛している部分の皮膚は周囲よりも凹んで見えることが多く、一気に髪の毛が抜けることもあります。 5年以内に40%程度の方が再発を経験すると言われています。

 

円形脱毛症の治療 

  • ステロイド外用薬
  • 塩化カルプトニウム( フロジン )

これらの治療でも効果がない場合には、雪状炭酸圧抵療法、液体窒素療法、副腎皮質ステロイドの局注、PUVA療法などがあり、最近では、副作用が比較的少ない局所免疫療法も普及してきています。 もし、円形脱毛症かな?と感じたら、早めに専門医に相談してくださいね。 先生にお話しするだけでも安心できますよ!  詳しい治療方法についてはお医者さんに確認していただきたいのと、ググってみてください。

 

 

2. トリコチロマニア( 抜毛癖 )

トリコチロマニアって聞いたことありますか? 気づかないうちに髪の毛を抜いてしまう症状なんです。 実は、円形脱毛症だと思っていた人が、実はトリコチロマニアだったってケースもよくあります。

 

トリコチロマニアの特徴

  • 全人口の0.5〜2%
  • 幼稚園児から小学生、特に小学校高学年の子どもに多いです
  • 患者さんの知能には影響がありません
  • おとなしく内向的な性格の方に多い傾向があります
  • 女性に多いのも特徴です

 

トリコチロマニアの原因と症状

ストレスや不安が原因とされてきましたが、最近では神経細胞と脳のコミュニケーションの一部に問題があるために生じるという説が有力です。 脱毛部分は手の届きやすい前頭部・頭頂部に多く、利き手側に偏ることが多いです。 子どもたちはつめを噛むのと同じように癖のような感じで髪の毛を抜いてしまいます。

 

 

トリコチロマニアの治療

治療には薬や育毛剤を使わず、専門医や心理カウンセラーの指導を受けながら治療を進めるのが一般的で、精神科の治療となるので、向精神薬などが処方されることもあります。 もし、自分や身近な人がトリコチロマニアかな?と感じたら、怒っちゃだめですよ!「 抜いちゃダメ!」とか。 専門の医師に相談すること少しの勇気で、気持ちが楽になるかもしれませんよ。

 

 

 

3. 抗がん剤(化学療法)治療による脱毛

抗がん剤の種類や使用量、治療の組み合わせや個体差によっても脱毛の程度は異なり、脱毛が起きやすいものもあれば、そうでないものもあります。 また、全身に影響を及ぼす抗がん剤の場合、まつ毛や眉毛なども含めて全身の体毛が抜けることがあります。 がんは活発に細胞分裂を繰り返し大きくなったり、転移したりしますよね。 そのため抗がん剤は分裂が活発な細胞に強く影響を与えます。 髪の毛や爪などは伸びたこと( 成長 )したことがわかりますよね。  身体のパーツでも髪の毛、爪、口腔内、腸壁などは細胞分裂が多く活発な部位になるので、毛を作る元になる細胞は抗がん剤の影響を受けやすいと考えられています。

毛の成長と脱毛

髪の毛は、「伸びる」→「止まる」→「抜ける」を繰り返していて、この周期を「毛周期」と言います。 髪の毛の80~90%は細胞分裂が活発で「伸びる」成長期にあたるので、抗がん剤の影響を受けやすくなっています。

主な抗がん剤の種類と脱毛の程度

前述のとおり成長期以外の止まっている髪の毛が10%~20%あるので、抗がん剤治療で全ての髪の毛が抜けるとは限りませんし、同じ薬でも脱毛の程度やスピードには個人差があるので、他人と比べないことが大切でだと思います。

脱毛〜回復までの時期の目安

一般的に、抗がん剤投与後2〜3週間後で脱毛がはじまり、脱毛の程度は人それぞれですが、治療が終わると1~2ヶ月で再生が始まり、3~6ヶ月ぐらい経過すると徐々に回復してきます。 はじめは白髪や産毛(うぶげ)から始まり、時間が経つと治療前の状態に戻ることが多いですが、とても強い薬を使っていますので、美容師目線がらするとほとんどの使用者の方の髪の毛を見ると、以前の髪の毛の状態と比較すると、変わってしまうことが多いです。 また、治療後、ホルモン剤を服用しつづける場合、さらに現状回復確立が下がります。 個人差はありますが、術後ホルモン剤を服用している場合は、前髪やトップの毛が以前と比較すると薄毛を維持してしまうケースを拝見します。 これまでのホルモン療法は、術後5年間ホルモン剤を服用することが主でしたが、最近、ホルモン剤を5年以上服用すれば、より再発しにくくなったという研究結果が報告されているので利用されている患者さんも増えているような気がします。 服用するホルモン剤は閉経前後で異なりますが、抗エストロゲン薬5年服用終了時に閉経している場合はその後アロマターゼ阻害薬を5年服用されている感じで、計10年間の服用が目安で出されている先生もいるようですね。

 

4. 放射線治療による脱毛

放射線治療でも脱毛が起こりますが、全身に脱毛が起こるのではなく、放射線が当たる範囲に限られ、照射した部分の反対側でも脱毛が生じることがあります。 放射線の強さや照射範囲、向き、患者様の状況によっても脱毛の程度が異なります。 放射線治療は、がん細胞を攻撃する一方で、正常な皮膚の細胞にも作用しますので、照射された部位の皮膚が炎症を起こし、その炎症が悪化して毛根までダメージを受けることで脱毛が引き起こされますが、治療が終了し、皮膚の炎症がおさまれば、次第に新しい毛が生えてきます。

 

上記のような症状がある場合、万が一のことを考慮して「アピアランスケア」としてウィッグを準備することをお勧めしますが、ウィッグ屋さんもたくさんあって、「何処に相談したらいいか?」というお話をよくお聞きします。 私が、見ても値段もピンキリですし、違いはよくわからないと思いますし、SNSをバンバン使える方はは「Youtube」や「Instagram」などを用いていろいろな情報を収集されていますが、抗がん剤治療を開始される方などは、治療開始まで時間にも限りがありますので、個人的にはまずはあまり高額なものにはすぐ手を出さず、時間が許す限りいろいろ試してみることをお勧めいたします。 さらに時間がない患者さまについては、相談できるウィッグショップにご相談されることがいいかと思います。

 

 

アルコバレーノからウィッグのご購入を検討されているお客さまへ

ウィッグを準備するにあたり

ウィッグを購入するにあたり、特に今まで部分ウィッグ( ヘアピース )を購入されたお客様からよくお伺いする内容として、「 ウィッグをまったく使っていない 」という声をよくお伺いします。 何かを買ったあと、よく後悔する場合ってよくありますよね。 まずは、購入したものがタンスの肥しにならないようにするために、弊店は美容師さんでもカットやカラーリングができるように、ウィッグの練習・試着ができるサンプルを用意しております。 装着までお時間があるお客さまは、まずは「 ウィッグ練習・試着セット 」のご利用をお勧めいたします。 アルコバレーノのウィッグは下記の商品を取り扱っております。

部分ウィッグ( ヘアピース ) 【 人毛100% 自然色・白髪  】

    • Sサイズ ( 下地 8×12cm 毛長30cm  )
    • Mサイズ ( 下地12×14cm 毛長30cm  )
    • Lサイズ ( 下地14×16cm 毛長30cm  )
    • Mサイズ 白髪30% ( 下地12×14cm 毛長30cm  )
  • お客さまの頭のサイズ、カバーしたい領域(エリア)に合わせて装着し、安心・安定するサイズを決めます
  • 長さ、毛量、前髪の有無はお客様に合わせてカットし装着します
  • 髪の毛の色もお客様に合わせてカラー施術することが可能です。 もちろん、お客さまが普段使われている市販のカラー剤でも染めることができます
  • 人毛ウィッグは地毛同様、紫外線の当たり方、洗浄の回数など、お客さまの使用環境でカラーも退色していきます

フルウィッグ 【 人毛100% 自然色  】

  • Sサイズ ( 頭まわり㎝  ) ショート( 毛長15cm )
  • Mサイズ ( 頭まわり㎝  ) ショート( 毛長15cm )
  • Lサイズ ( 頭まわり㎝  ) ショート( 毛長15cm )

 

  • Sサイズ ( 頭まわり㎝  ) ミディアム( 毛長30cm )
  • Mサイズ ( 頭まわり㎝  ) ミディアム( 毛長30cm )
  • Lサイズ ( 頭まわり㎝  ) ミディアム( 毛長30cm )